俺の大好きなちゃんは、跡部と同じクラスなんだ!だから、俺も行きやすいし・・・・・・本当にラッキーだよね!でも、ちゃんも運がEんだよねぇ。だって、ちゃんは、大好きな跡部と、去年も今年も同じクラスなんだもん。マジ羨まC〜!!だけど、跡部と一緒だと俺も行きやすいから、全然Eんだけどね。そのおかげで、ちゃんと仲良くなれたし!跡部と友達で、マジ良かった〜・・・なんつって!もっちろん、それ以外でも跡部と友達で良かったって思ってるけどね。でも、ちゃんと仲良くなれたのも、その1つかな、とは思うんだよね!朝会ったときだって、普通に挨拶できちゃうし。



ちゃーん、おはよ!」

「おはよう、ジローくん。・・・あれ、朝練は?」

「えへへ・・・。」

「えへへ、じゃないでしょ!また寝坊・・・?」

「うん。起きたら、時間過ぎちゃってた・・・。」

「もう・・・相変わらずなんだからー・・・。ちゃんと行かないと、立海の・・・・・・。」

「丸井くん?」

「そう。その人を追い越せないよ?」

「じゃあ、丸井くんに勝ったら、・・・ちゃん、俺と付き合ってくれる??」

「それとこれとは関係ないでしょ。」

「じゃ、跡部に勝ったら・・・だったら、どう??」

「ジローくん。そんなことを言う前に、まずは朝練に行こうね?」

「はぁ〜い・・・。」



そんな風に楽しくお喋りしながら、登校することだってできるしね。本当は朝練にも行きたかったけど・・・、まぁ、ちゃんに会えたし良かったかな!結果オーライっ。

でも、最近は文化祭の準備があって、部活ができてないんだよねぇ・・・。だから、朝練は行かないと!・・・よし、明日朝練に行くためにも、いっぱい寝とかなきゃ。と思って、今日も寝てたら、いつの間にか授業が終わっちゃってた・・・!あとは帰るだけだって〜。・・・・・・やっちゃった・・・!うん、明日は頑張ろー。
なんて思いながら、校舎を出ると、ちゃんの後ろ姿を発見っ!



ちゃん!」

「わっ!・・・ジローくんか。今帰り?」

「うん。ちゃんも?」

「そうだよ。今日の分の文化祭の準備は、リーダーたちがやってくれて・・・。」

「そうそう!俺なんて『邪魔』って言われちゃったよ〜・・・。」

「また寝てたんでしょ?・・・まぁ、私も似たようなものだけどね。だから、悪いとは思うんだけど、任せてきちゃった。」

「どこも似たようなもんだよね。・・・跡部は相変わらず忙Cの?」

「うん・・・・・・そうみたい。」



・・・・・・あ。今の禁句だったかも。ちゃんの顔が一瞬曇っちゃったし・・・。そりゃ、そうだよね。だって、今じゃ、ちゃんは跡部の彼女。ちゃんは去年から、跡部のことが好きで・・・。今年の初めに、ようやく付き合えるようになったんだ!だから、一緒に帰れるのを楽しみにしてるはずなのに・・・。それでも、ちゃんは、無理矢理笑ってくれた。
本当優Cよね!でもさ、俺に気なんて遣わなくたってEのに・・・。俺はちゃんの役に立ちたいんだから。



「寂Cね。」

「・・・・・・でも、仕方ないから。」

「仕方なくないよ!俺だったら、絶対ちゃんにそんな思いはさせない。」

「ジローくん・・・。」

ちゃんだって、跡部と一緒に帰りたいでしょ?もちろん、跡部も遅い時間までちゃんを待たせたくないっていう優しさから、ちゃんを先に帰らせてるってことはわかる。」

「・・・・・・。」

「でも、ちゃんは遅くても一緒に帰りたいって思ってる。それなら、俺はちゃんを待たせることは嫌だけど、一緒に帰ってもらおうって思うよ。だって、遅い時間じゃなくても、ちゃんを1人で帰らせるなんて危ないと思うし。それに何より、俺も一緒に居られる時間を増やしたいと思うから。」

「・・・・・・ありがとう。ジローくんは優しいね。」

「ううん。俺は子供なだけだよ。跡部の方がよっぽど大人で、優しいんだ。」

「そうだとしても、私にはジローくんみたいな優しさが嬉しいよ。」



そう言って笑ったちゃんは、とても悲しそうだった。
・・・・・・ねぇ、跡部。俺は跡部のことも友達として好きだよ。だからこそ、ちゃんを悲しませるなんて、絶対に許さないから。



「じゃあ、ちゃん。文化祭の準備がある間は、俺と帰ろっか!跡部の代わりにはなんないけど、1人よりはマシじゃない??それに、俺はちゃんと一緒に居たいC〜。」



跡部からちゃんを奪おうなんて考えは無い。だけど、ちゃんが寂しがってるのを放っておけるわけないもん。もし、それがちゃんの弱みに付け込んだと言われようと、寂しい思いをさせた跡部が悪いんだからね。
・・・まぁ、心配しなくたって、ちゃんが俺に乗り換えることはないだろうけど。だって、ちゃんは、そんな酷い子じゃないし、どれだけ跡部のことが好きかも知ってるもん。俺も去年から、ちゃんのことが好きだしね。だから、文化祭の期間ぐらい、ちゃんと一緒に居たってEよね?



「・・・ジローくんはいいの?」

「うん!むしろ、俺は一緒に帰ってほC〜なぁ〜。」

「う〜ん・・・。じゃあ、お言葉に甘えて、そうさせてもらおうかな。」



ってわけで、しばらくはちゃんと一緒に帰れるようになった。俺にとっては、毎日楽しかった。でも、ちゃんは、どうしても跡部のことを考えちゃうんだろうなー。



ちゃん。やっぱり、寂C?」

「まぁ、寂しくないと言えば、嘘になるね。」

「・・・俺と居る間だけでも、跡部のことを忘れることってできない??」

「う〜ん・・・。難しい・・・かな。」

「そっか。」



やっぱり、難Cよね。でもさ、できるだけ、何も考えずに過ごせるように、してあげたいから。俺、頑張るよ。
って、何だか本気になっちゃいそう。・・・まぁ、元々本気だけどね!



「でも、少しでも紛らわせることができるなら、俺は何だってするから。いつでも頼ってね?」

「ありがとう、ジローくん。」

「気にしないで?・・・何なら、ちゃん。俺を2番目にしてくれたってEからね!」

「2番、目・・・?」

「そう!まずは跡部に頼るでしょ?それが無理な時は俺のとこに来ればEから。」

「フフ・・・、ありがとう。」



今の俺の言葉、きっとちゃんは『言葉の綾』ぐらいにしか思ってないだろう。俺としては、本気なのになぁー。
本当、俺は2番目でEんだ。むしろ、2番目でも有り難いぐらい。だから、困ったことがあったら、いつでも言って?俺がいつでも慰めるよ!

そして、今日もいつも通り、校舎前でちゃんを待っていると。その横に、跡部が居た。



「あれ?!今日は、一緒に帰れるの?」

「うん、そうみたい!」

「ジロー。最近、コイツと帰ってやってたらしいな。・・・ま、一応礼は言っておくぜ。」

「別に跡部のためにやったんじゃないC〜。俺は、ちゃんと一緒に帰りたかっただけだよ。何なら、今日も3人で帰る?」

「はっ、言ってろ。」

「跡部、ヒド〜イ!・・・ま、冗談だけどね!だって、邪魔するわけないでしょ?せっかく、帰れるんだもん。ね、ちゃん!」

「ジローくん、本当優しいね。せっかく、今日も待っててくれたのに・・・。」

「また今度、一緒に帰ろう?今日はせっかくだから、跡部と帰ってね!で、跡部に飽きたら、いつでも俺の所においで?」

「おい、ジロー。俺の前で、を口説いてんじゃねぇよ。」

「好きな子を口説くのに、誰の許可も要らないと思うけど〜?」



そうだよ。人を好きになるのに誰の許可も要らない。もちろん、跡部から無理矢理ちゃんを奪うようなことはしない。だって、好きな子を不幸な目に遭わせる権利は無いから。・・・まぁ、あったとしても、誰もそんなことしなくないだろうしね。でも、ちゃんが望んで俺の所に来てくれるなら話は別。だから、そう言っただけだよ。



「そうだとしても、俺が許さねぇ。」

「何だよ、それ〜・・・。でも、跡部カッコE〜!跡部がどれほどちゃんのことを愛してるのか、伝わりました!」

「当たり前だ。」

「よかったね、ちゃん!」

「うん・・・。ありがとう、ジローくん・・・。」



ちゃんは恥ずかしそうに笑っていた。・・・良かった。最近、寂しい思いをし続けてたもんね?
でも!跡部にまた怒られるから、口には出さないけど・・・。俺だって、跡部に負けないぐらい、ちゃんのこと愛してるから!



「じゃ、2人とも気をつけてね〜。」

「うん!ジローくんも気をつけてね?」

「ありがとう、ちゃん!それじゃ、2人とも、また明日〜。」

「バイバ〜イ。また明日。」



跡部は何も言わなかったけど、一応手を挙げて返してくれた。ちゃんは、その後も、お互いに見えなくなるまで、何度も振り返って、手を振ってくれた。その度に、俺も精一杯手を振った。
本当、ちゃんって優C〜。それにカワE〜!で、そんなちゃんを知れる俺って、少しはちゃんにとって、特別な存在だと思うんだよね!それが跡部の次ぐらいだったら嬉Cんだけどなぁー。もちろん、俺が1番でもEけどね・・・なんつって!
・・・・・・さてと。2人と間も空いたし、俺もそろそろ帰ろうっと。

ちゃん。また困ったことがあったら、相談してね?俺はいつでも君の味方だから!
大好きだよ、ちゃん。













 

「キスプリ」の「Waitin' For Your Love」の印象で、芥川さんは片思いでも明るくいてくれそうだと思ったので、こんな話を書いてみました。芥川さん自体は、そんなに悲しんでるわけじゃないので、「悲恋」と書くか迷いましたが・・・。設定としては、悲恋に入っていてもおかしくないかなと思い、そう書いておきました。

それと、この作品は、とあるR18乙女ゲーを意識しています。特に芥川さんは、軽そうな配達人のお兄さん意識です。その作品の少し切ない部分を見習いたいと考えまして。・・・そういえば、そのキャラの1人が諏訪部さんの御声のような気がするんですよね。R18は御名前を変えていらっしゃるのでわからないんですが、サンプルボイスを聞く限り、そんな感じが。・・・と、話が逸れましたね(汗)。ちなみに、跡部さんはそんな諏訪部さんのキャラではなく、プレイヤーキャラの旦那様意識ですかね。
ここまで書いておいて、ゲーム名を明かさないのは、公式様に悪い気がするので(笑)、18歳以上の方は色反転でどうぞ → 参照ゲーム名:「銀の冠碧の涙

('08/10/22)